「エリート狂走曲」(弓月光)の時代(45年前)と現在の中学受験は変わらないかも

エリート狂走曲表紙 コミック

はじめに

先日、一条ゆかり先生の新刊エッセイ『不倫、それは峠の茶屋に似ている たるんだ心に一喝!!一条ゆかりの金言集』の発売を機に「漫画界のレジェンド~一条ゆかり&弓月光が語る、友情と漫画、映画とスター」という対談記事が集英社オンライン(ロードショー編集部)に掲載されました。

漫画家として同期デビューであり、古くからの友人である一条ゆかり先生と弓月光先生の対談ではお二人の若い頃のエピソードや好きな映画などファンの方には大変興味深い話が多く語られています。

今回は弓月光先生の少女雑誌連載時期の名作、今から45年前に連載が開始された当時の中学受験の雰囲気が伝わる「エリート狂走曲」をご紹介します。

連載していた雑誌は

「エリート狂走曲」は「週刊マーガレット」(集英社)に昭和52年31号〜昭和53年45号(1977年〜1978年)の期間に連載されました。当時の「週刊マーガレット」では4年前の昭和48年(1973年)に池田理代子先生の「ベルサイユのばら」、2年前の昭和50年(1975年)に山本鈴美香先生の「エースをねらえ」が連載を終了し、土田よしこ先生の「つる姫じゃ〜っ!」が連載中の頃でした。

「週刊マーガレット」表紙画像
「週刊マーガレット」は少女漫画の雑誌です

「エリート狂走曲」の作者は

「エリート狂走曲」の作者は弓月光(ゆづき ひかる)先生。本名は西村司さん、高知県吾川郡伊野町(現在いの町)、昭和24年(1949)年12月5日のご出身です。

昭和43年(1968年)少女漫画雑誌りぼんの第1回りぼん新人漫画賞で準入選してデビュー。同賞での同時受賞者は一条ゆかり先生、もりたじゅん先生(現、本宮ひろ志先生のご夫人)です。

代表作として、少女雑誌時代の「ボクの初体験」「変人クラブ」「エリート狂走曲、少年誌の「ボクの婚約者」、青年雑誌時代の「みんなあげちゃう」「甘い生活」「瞬きのソーニャ」等、多くの人気作品を発表しています。

「エリート狂走曲」のあらすじ

兵庫のど田舎から東京へ引っ越してきた勉強強嫌いで野生児の小学6年生の片桐哲也が主人公。引っ越し先の東京で高い東大進学率を誇る名門私立中学を目指す成績優秀な美波唯がヒロイン。当時の受験戦争を背景とした中学受験そして中学入学後の学園生活を舞台にした青春ラブコメディでした。

コミック1巻より

哲也のクラスメイトやクセのある教師陣。特に哲矢たちが通う開明小学校の担任教師であると同時に、闇アルバイトとして東大進学塾の講師の志乃田先生は「エリート狂走曲」の影の主人公とも言えるでしょう。志乃田先生のキャラクターは弓月先生のお気に入りのキャラクターらしく、後の弓月作品にもスターシステムとして登場しています。

第1話初対面シーン
「天上天下唯我独尊」という言葉を「エリート狂走曲」第1話から学んだこともいい思い出です。

感想

当時、東京に住む小学生だった自分の周りには実際に私立中学を受験する同級生も多く、唯ちゃんみたいに可愛い女の子では無いけれども(←失礼なこと言って本当に申し訳無いです)、自分よりも大人ぽっく見えた中学受験する女子生徒達もいて、マンガと現実がクロスオーバーしていたような作品でした。

連載時から45年経って、自分や友人の子供達が中学受験を経験するような年齢になって、現在の中学受験の厳しさや対策を見聞きすると、「エリート狂走曲」の時代とあまり変わっていないような気がするのは自分だけでしょうか?

少女雑誌から青年誌へ

少女マンガ家としての弓月先生が、昭和57年(1982年)に週刊化された青年誌「週刊ヤングジャンプ」に「みんなあげちゃう」を連載した時には弓月先生の画風は変わらないのに、ストーリーが大人向けにエッチになり、ちょっと過激になったこともあってとても不思議な感じをしたことを覚えています。

「週刊ヤングジャンプ」表紙画像
昭和57年「みんなあげちゃう」新連載時の「週刊ヤングジャンプ」49号の表紙。「週刊マーガレット」との差がスゴイですね!

もう一度、全巻読みたくなったら

この記事を読んだ方の本棚には今でも当時購入したコミックスがまだ有るかもしれませんが、中には引っ越しや片付け等で泣く泣く(うっかり?)処分してしまって、後悔している方もいるかもしれませんね。

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おまけ〜懐かしい映像

同期デビューの一条先生の貴重なお話は興味深いですね。

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