20周年なのに、あまり話題になっていないアニメ「銀河鉄道物語」シリーズについて④「銀河鉄道物語~忘れられた時の惑星」

銀河鉄道物語〜忘れられた時の惑星画像 コミック

最近、〇〇周年ということで数多くの作品が数十年ぶりに注目をされ、各作品のファンの方々から懐かしい思い出が語られていますが、この記事では、今年で20周年にも関わらず何故かあまり注目されていない(?)「銀河鉄道物語」を紹介したいと思います。

先日の記事(20周年なのに、あまり話題になっていないアニメ「銀河鉄道物語」シリーズについて③)では第2シリーズ「永遠の分岐点」DVD Box第1集と第2集にのみ収録されたTV未放送の第25話と第26話を紹介しましたが、この記事では第2シリーズ放送中である2006年12月から全4話で発表された「銀河鉄道物語~忘れられた時の惑星」を紹介いたします。


「銀河鉄道物語~忘れられた時の惑星」のストーリーは時系列的にはSDFとアルフォート星団帝国との激しい戦闘のあったTV第1シリーズの最終話から1年後のエピソードとして、 第1シリーズと第2シリーズ『永遠への分岐点』との間の出来事となっています。第2シリーズの冒頭から登場する新キャラクターのキリアンがシリウス小隊の研修生として着任したばかりの頃となります。

いつものメーテル画像
停車しない理由を鉄郎に説明しない”いつもの”メーテル

(ネタバレ)
(第1話)
研修生として配属された幹部候補生キリアンを迎えたシリウス小隊は多発する銀河鉄道の軌道上に現れる謎の幻覚の調査に出動し、次元の異常を確認します。

その頃、エターナル銀河へ向かう途中であった銀河鉄道999号は銀河鉄道の路線図から抹消された「忘れられた時の惑星」と呼ばれる星・惑星ヒーライズの衛星・デュエートの駅に停車します。

メーテルは鉄郎に「行かなければいけないところがある」と言うと、鉄郎に先に食事を済ますよう勧めるのでした。メーテルと駅で別れた鉄郎は地元のレストランに立ち寄ると、50年以上、雨の日も風の日も郵便配達を勤め上げた老人マシューの祝宴にたまたま同席することとなります。

郵便配属人を引退したマシューは今までの長年の仕事に誇りを持ちながらも、ひとつだけ悔いの残る仕事として、宛名も差出人も書いていないために届けることが出来なかった1通の手紙があると言って、その手紙を鉄郎に見せるのでした。その手紙を見た鉄郎は何も書かれていないはずの手紙なのに自分では解読出来ないものの手紙に何かが書かれているのを感じるのでした。

そのことを聞いた老人はこれから999で宇宙各地を旅し、いつかどこかで宛名が解読出来る機会が有るかもしれないと、若い鉄郎にその手紙を託すのでした。

手紙を鉄郎に託す老人画像

999号の発車時刻となり、慌てて999に戻った鉄郎はメーテルがまだ戻って来ていないにも関わらず、999が衛星デュエートの駅を発車してしまったことに気づきます。メーテルはきっと惑星ヒーライズに行ったんだと直感する鉄郎は車掌さんにすぐに惑星ヒーライズへ行くよう頼み込んでいる最中、999は惑星ヒーライズからの不思議な光を浴び急速に車両を経年劣化しながら惑星ヒーライズに落下して行くのでした。

銀河鉄道管理局では999号が消息を絶ったことが緊急報告されます。SDFシリウス小隊は乗客の安否も星の情報もまったく不明の中、管理局からの緊急出動命令を受けて999号の乗員、乗客の救助に向かうのでした。

(第2話)
赤錆びた状態で999号は惑星ヒーライズに辛うじて不時着し、車外で気を失っていた鉄郎が目を覚まし周りを窺うと、アンドロイド達がやはり気を失っている車掌さんをどこかへ連れ去ろうとしているところでした。鉄郎は車掌さんを乗せて空に上昇して行くアンドロイドの有人小型簡易偵察機に飛び乗ろうとしますが奮闘虚しく上空から落とされてしまいます。

掴まる鉄郎画像
この高さから落ちたら…

出動命令を受けたシリウス小隊は惑星ヒーライズに到着すると朽ち果てた銀河鉄道999を発見します。早速、車内を捜索するも乗員・乗客を全く発見出来なかったシリウス小隊は999の墜落経路より推測される捜索周囲をビッグワン搭載のオフローダー車で捜索することにしました。

学は今回の事故を知ってからずっと浮かない表情のキリアンとペアとなって捜索周囲の南側をオフローダー車で走っていると傷つきながらふらつく鉄郎を発見します。学とキリアンは倒れてしまった鉄郎を保護すると、ビッグワンへ戻り治療を施し、シリウス小隊バルジ隊長に発見場所を報告します。バルジ隊長は鉄郎の不自然な発見現場から今回の999号の事故が単なる事故では無いと考え、シリウス小隊に更なる調査を指示するのでした。

治療される鉄郎画像
ベッドが小さすぎる?

その頃、メーテルは惑星ヒーライズに唯一存在する人工建造物である城でモデストと対峙していました。モデストは惑星ヒーライズを襲った「時の津波」はどうして起きたのか?誰が「執行人」を呼び寄せたのか?自分には知る権利があると語るのですが、メーテルは原因を知ってもどうにもならない、禁忌を犯せばまた同じことの繰り返しになるだけと諭すのでした。

モデスト画像
敵キャラぽく無い美形なモデスト

すると、そこへアンドロイド達が気を失った車掌さんをモデストの元へ運んで来ます。モデストは「時の津波」が惑星ヒーライズを襲った時にちょうど停車していた銀河鉄道999に乗っていたメーテルと車掌さんを失われた未来を取り戻すための贄としようとしていたのでした。

意識が戻った鉄郎はビッグワンの解析で発見された惑星ヒーライズ上に唯一ある建造物物にメーテルと車掌さんがいるに違い無いとシリウス小隊に主張していると、突然、惑星ヒーライズに異常が発生し始めます。すると鉄道管理局総司令レイラ・デスティニー・シュラから惑星ヒーライズからビッグワン緊急退去の指令が入ります。シリウス小隊はメーテルと車掌さんの安否が不明なままで退去については不本意ですが指令に従うのでした。

レイラ画像

レイラ総司令の通信を聞いて、独断でビッグワンから降りていたキリアン、強引にビッグワンのオフローダー車を奪いメーテル車掌さんを探しに行こうとする鉄郎、そして、その鉄郎を止めようとして車に飛び乗った学を地表に残してビックワンは惑星ヒーライズの上空へと発車します。

鉄郎、学オフローダー画像
オフローダーは左ハンドルですね

(第3話)
地表から出現し始めた建造物群や小型戦闘機からの攻撃を掻い潜りながら、学と鉄郎はメーテルと車掌さんを救い出すべくの城へ向かう中、モデストは過去に起きた「時の津波」に関与する人物として、真相を知る捕らえたメーテルと車掌の他にもうひとり「時の津波」の証人であった赤ん坊の存在を知ります。

モデストはもうひとりの「時の津波」の証人であり、もうひとりの特異点である、その時の赤ん坊はどこにいる?とメーテルを尋問していると、ついに学と鉄郎が現れますがアンドロイド達に包囲されてしまいます。

尋問シーン画像

そこへ捕われの二人を救い出すべくたった独りで二人の元へと向かっていたキリアンがアンドロイドの小型有人敵機を奪い、鉄郎や学達の頭上から突然現れて車掌さんと学を救出するもメーテルと鉄郎の救出は出来ず、二人を置いたまま上空に待機していたビッグワンへ帰還することになってしまいます。

キリアン、車掌さん、学画像

キリアンがもうひとりの特異点であることに気づいたモデストはビッグワンへ通信を入れ、メーテルと鉄郎の命が惜しければキリアンをモデストの元へよこすよう要求するのでした。

再び捕らえられたメーテルは「どうしてひとりで惑星ヒーライズへ行ったんだ」と尋ねる鉄郎へ「時の輪を乱そうとする者は見過ごすことは出来ない。小さな歪みはこの宇宙全てに波及する」と語るとともに、惑星ヒーライズが「時の津波」に襲われた際、惑星ヒーライズを緊急発車する999の車掌さんは赤ん坊であったキリアンの両親から「時の津波」から救うために預けられたことを話すのでした。

キリアン赤ん坊画像
この二人がいなければ…

(第4話)
惑星ヒーライズを襲った「時の津波」の真相とは、キリアンの両親が「時間操作のテクノロジーの封印」を託されたにも関わらず、数年後、幼いキリアンがモデストの恋人エメとの交通事故により亡くなってしまう未来を垣間見てしまい、その未来を変えるためにエメを犠牲としキリアンを救った為、「執行人」が惑星ヒーライズに「時の津波」を起こし、惑星ヒーライズの全てを消し去ってしまった事件だったのでした。

モデストは「時の津波」襲来時に次元の特異点となったメーテル、車掌さん、キリアンを贄にして、再び時間を操り、エメの生きていた時間に戻り、エメを生き返らせようとしていたのでした。

モデストからのキリアン要求の指定時間が迫る頃、突如「時の津波」が再び惑星ヒーライズに近づいて来ます。ユキの解析では「時の津波」の惑星ヒーライズへの到達時間まであと2時間30分。バルジ隊長はやむ無くモデストの要求に応えビッグワンをモデストの元へ向かわせます。

育ての親であった車掌さんから捨てられたというトラウマに自暴自棄になったキリアンは学の制止を無視し、モデストに自らを差し出すと、時を同じくして「時の津波」の第1波が惑星ヒーライズを襲来して来ます。

「時の津波」の第1波へモデストは時間砲を発射しますが、逆に自らの城が破壊されてしまいます。城に保存されているエメを危惧したモデストはキリアンを連れ、城内部に向かうのでした。

学は鉄郎とメーテルにビッグワンへ行くよう指示し、モデストとキリアンを追います。「時の津波」により崩壊していく中、学はビッグワンに戻った鉄郎の援護もあり何とかキリアンを救い出すことに成功します。

崩れ行く城の中、モデストは独りエメの元に歩み寄ると、エメは瞬く間、目を覚まし、モデストに抱擁の手を伸ばすとモデストとエメは抱きしめ合いながら「時の津波」に包まれ消えて行くのでした。

エメ、モデスト画像

学とキリアンを回収したビッグワンは惑星ヒーライズから全速力で離れようとしますが、「時の津波」はさらに勢力を拡大してビッグワンはなかなか脱出をすることが出来ません。それは「執行人」がキリアンのいるビッグワンに取り憑いているからでした。すると、ディスティニーのレイラはシュラに変幻し宇宙を駆け、ビッグワンに取り憑く執行人を消し去るのでした。

シュラ画像
ポニョのワンシーンではありません笑

そして、シュラは全てのタイムゲートを開き、あらゆる時の可能性が重なりあった世界を学や鉄郎達に見せるのでした。それは学の兄、護が健在のSPG車輌666号、学の父、渉と幼き学の乗るビッグワン、鉄郎と鉄郎の母が乗る999、そして意識を失っているキリアンには生みの両親とキリアンの故郷である惑星ヒーライズで再会させるのでした。

ビッグワンがタイムゲートを抜けると時間砲の影響が無くなり正常に戻った999号が並走してきます。そして、メーテルは鉄郎がデュエートで預かっていた手紙は「時の津波」に襲われる中、キリアンの両親がキリアンを車掌さんに託した時に持たせたキリアン宛の手紙だと鉄郎に告げるのでした。

キリアンは鉄郎から渡された手紙を読み、今まで親に捨てられていたものだと思っていたキリアンは両親のキリアンへの愛を知り涙ぐむのでした。

デュエート駅ホームで固い握手をし、エールを送り合い別れる学と鉄郎、そして、車掌さんに捨てられたというわだかまりの溶けたキリアンも車掌さんと熱い抱擁をし、999とビッグワンは各々がいつかまた何処かできっと会えるという想いと共にデュエート駅を出発するのでした。(終わり)

999とビッグワン画像

今回の「銀河鉄道物語」は「銀河鉄道999」がコラボレーション参加するというスタンスでストーリーが進んで行きます。ちなみに「銀河鉄道999」の時系列では鉄郎とメーテルがエターナルへ向かう途中のエピソードになりますので、もう既に太陽系はダークィーンによって消滅してしまった後の出来事となります。つまり、「銀河鉄道物語」第2シリーズ第25話、26話ではキリアンは既にシリウス小隊の研修を終えていますので、ダークィーン勢力、ツイストバレルとの戦いは、アニメ「エターナルファンタジー」登場のメタノイドのヘルマザリアと鉄郎が戦った後の戦闘ということです。

「銀河鉄道999・エターナルファンタジー」後ということは「銀河鉄道999」「さよなら銀河鉄道」のエピソードよりも後ということですから、鉄郎は機械化母星を破壊するほどの無双ぶりだったはずですが、今回の「銀河鉄道物語~忘れられた時の惑星」では驚くほど貧弱で、精神的にも少々未熟なように見えるのもご愛嬌です。(物語ラストでSDF隊員のディビッドが「星野鉄郎」という名前を思い出し、「サイン貰っとけばよかった」と言うぐらいですから、この宇宙では「星野鉄郎」は機械帝国を崩壊させた有名人なはずなんですけどね)

余談ですが、この「銀河鉄道物語~忘れられた時の惑星」の脚本はむとうやすゆき氏が担当しており、むとう氏は後日「機動戦士ガンダムUC」や「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」の脚本も担当しています。また、PlayStationのゲーム版「宇宙戦艦ヤマト」シリーズ等で松本零士先生タッチの得意な増永計介氏が作画監督として参加していることも注目です。

また、この作品が肝付兼太氏の最後の車掌さん役となってしまいました。ご冥福お祈りいたします。

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