ついつい今まで読むことを躊躇っていた島崎譲先生の『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』を一気読みしました。正直言うと、連載開始第1話は読んではいたのですが、どうしても島崎先生の綺麗な絵柄が苦手で第2話以降読めずにいたのでした。
この『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』はチャンピオンREDで2018年5月号から2025年4月号(発売は2025年2月)まで連載された作品です。

連載開始時の2018年は松本零士先生が80歳、「銀河鉄道999」が連載開始40周年ということでメモリアルイヤーでもありました。島崎譲先生と松本零士先生の参加するイベントもあり大変盛り上がっていた記憶があります。(当時のイベントについてのコミックナタリーの記事はこちら)
2022年4月号から島崎先生の体調不良により2年以上休載され、また、休載中の2023年2月に松本零士先生がお亡くなりになりましたが、2024年11月号より連載が再開されて無事、今年4月号にて完結となったのでした。
島崎譲先生の作品は少年マガジンでの連載が多く、また、島崎譲(しまざき ゆずる)というペンネームより男性と思われがちですが女性の漫画家さんです。島崎先生が連載していた80年代後半、90年代半ばの週刊少年マガジンを当時読んではいましたが、個人的には『THE STAR』や『覇王伝説 驍』が得意ではなかったので読み飛ばしてしまっていました。(このことが今作を今まで読んでいなかった大きな理由かもしれません)
久しぶりに島崎先生の名前を目にしたのは松本零士先生の名作『ガンフロンティア』のリブート『ガンフロンティア〜ハーロック&トチロー青春の旅〜』でした。

懐かしくなって、久しぶりに読みたくなったらこちら↓

リブート版が気になったらこちら↓
そして、松本零士先生とのタッグを組んだのが今作『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』です。ANOTHER STORY というタイトルについて、島崎先生は連載開始時に「『999』の本当の物語は、先生が今でも描き続けていらっしゃる。先生がいつまでも現役でいらっしゃるので、本線は先生がずっと描き続けてくださるとみんなが期待してよろしいと思います」とあくまでも本編とは違う作品であるということをコメントをしていました。
また、和智正喜氏の『小説 銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』のコミカライズでは無いので、小説版に登場するキャラクターと重複する場合もありますが、話数の都合もあるのか活躍シーンやキャラクター数は少なくなっています。
和智正喜氏の『小説 銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』の記事はこちら

さて、『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』は冒頭、「エターナル編」でも描かれたヘルマザリアとの戦いが「エターナル編」とは違った戦いとして描かれ、このメタノイドの真の戦士であるヘルマザリアと鉄郎の邂逅が今後大きな意味を持つこととなります。

鉄郎は「エターナル編」で描かれた「大テクノロジア」の他に惑星「エスメラルダ」、惑星「アスガルド」、トレーダー分岐点「ヘビーメルダーⅡ」と旅を続け、終点「エターナル」と向かいますが、率直に言うと非常に駆け足でストーリーが進むせいか松本零士先生が描くような深みのあるエピソードに比べて残念ながら個人的には物足りなさを感じました。
特に最終巻ではダークインとの対決、太陽系の復活という大命題を描かなくてはいけないので更にストーリーのテンポが早くなって行きます。
しかし、松本零士先生が未完のままにした「銀河鉄道999」を島崎譲先生の思う「落とし所」で完結させ、熱烈な松本零士ファンが多い読書に発表することは非常に大変だったことだと思います。
まだ未読の方は島崎先生のご足労に敬意を表して是非一度島崎譲先生の『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』を読んでみてはいかでしょうか。

『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』はこちら↓
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