昨年9月30日から世田谷文学館で開催されていた『江口寿史展〜ノット・コンプリーテッド』がついに今週末2月4日で閉幕となってしまいます。
今回の『江口寿史展〜ノット・コンプリーテッド』は 今では当たり前のように親しまれている江口先生独自の「かわいい」「女の子」のキャラクターではなく、江口先生の原点である「漫画」に特化した展示会となっています。
江口先生の描いた初期の作品である「すすめ!パイレーツ」そして大ヒット作「ストップ!!ひばりくん!」などの江口先生の執筆した生原稿が展示され、それら生原稿は1話分まるまる展示されているので『生原稿で漫画が読める』という贅沢な体験をすることが今回の展示会では出来るのです。(そして、生原稿を中心とした多くの展示物は撮影可でしたので、我を忘れ撮影をしてしまいました笑)
今回、最終日である2月4日とその前日の2月3日には江口先生のサイン会が開催されるということも告知されていますので、前回1月8日に開催されたサイン会のレポも含めて「江口寿史展〜ノット・コンプリーテッド」をご紹介します。
世田谷文学館は1995年に東京23区では初の近代総合文学館として、東京都世田谷区南烏山に開館しました。最寄駅は京王線の芦花公園駅となります。隣の特急も停車する千歳烏山駅からも徒歩で行くことが出来ますが芦花公園駅を降りてすぐに千歳通りをサミット側へ真っ直ぐ歩けば世田谷文学館に着きますので各駅停車駅である芦花公園駅の利用がオススメです。
サイン会は世田谷文学館ミュージアムショップで合計5,000円(税込価格)以上の購入者のうち、各日先着150名様(2日間で合計300名様)に江口寿史先生のサイン会参加券が配布され、当日購入した商品のうちいずれか1点にサインをしてもらえます。
多くの方は『江口寿史扉絵大全集』にサインを貰っているようでしたが、もう既に『江口寿史扉絵大全集』を購入していると思われる方達は「ストップ!!ひばりくん!」のコンプリート・エディションにサインを貰っている人が多かったような気がします。
サイン会参加券配布時間は各日開館時間の10時からですが、数時間前から開館時間を待つ列が作られ、開館の10時から10〜15人づつが入館を許され文学館の1階にあるミュージアムショップへ行くことが出来ます。
文学館の方が館内のミュージアムショップでのレジの状況を見ながら、外で待つ人達を順次入館させる仕組みになっていますが、早朝に来館せず開館待ちの行列にあまり並ばなかった自分でもそれほど外で待つことはありませんでした。(ちなみに外での行列が無くなった後に来館した人も150人以内でミュージアムショップのレジの列に並ぶことが出来ていたようでした)
配布されたサイン会参加券には印刷されたQRコードがあり、スマートフォンで読み取ることにより進行状況がわかるのでとても便利です。というのもサイン会の実施は13時頃からなのですが、江口先生はひとりひとりにしっかりとサインをして下さるのでサイン会終了まで数時間を要するのです(このことについては後述します)。
ミュージアムショップでサイン会参加券を無事に確保したので、文学館2階に上り、受付で1000円を支払い当日券を購入しました。この日はサイン会が開催されるので再入場可ということでなんだか得をした気分です。
入口にある江口先生のご挨拶に続き、直ぐに「ストップ!!ひばりくん!」の生原稿が展示されます。貴重なカラーページの生原稿に圧巻されると同時に生原稿でまるまる一話分のストーリーが読めるなんて!感動です。
「ストップ!!ひばりくん!」の生原稿の後は江口先生の初連載作品である「すすめ!!パイレーツ」の生原稿を拝むことが出来ます!本当に懐かしい!「江口先生のギャグって大昔はウルトラシリーズやヤマト等のアニメのパロディだったよな〜」としみじみと思い出すとともに自分が歳を取ったことに気づくのでした笑
さすがにデビュー時期の赤塚賞準入選作の「8時半の決闘」は展示されていませんでしたが、犬井さんと猿山などの懐かしいキャラクターを「すすめ!!パイレーツ」の生原稿で見た後は「ひのまる劇場」の生原稿を見ることが出来ます。
「ひのまる劇場」のカッセットレーベル(←死語?)のイラスト、「漫画アクション」の表紙イラスト、「怪獣王国」生原稿などを見ながら順路を進めます。
1994年マガジンハウス「COMICアレ!」の表紙下絵・原画で江口先生の初期のかわいい女の子のイラストを見たかと思うと1983年(1986年加筆)の「POCKY」の生原稿を見たりと楽しんでいると、「江口寿史のお蔵出し」や「江口寿史の正直日記」に収録されている短編数々の生原稿が展示され、その横には撮影禁止である山上たつひこ先生とやりとりしたファックスが展示されています(劣化しやすいファクス用紙が保管されていることに驚きです)
そして、山上先生との生々しい?ファックスのやりとりの奥には江口先生の私物の当時の画板、鉛筆削り、ラジカセを持ち寄って再現されたジャンプ連載時の缶詰め場所でかつて神保町にあったホテル錦友館の一室を見学出来ます。当時の昭和の時代が思い出されますね
江口先生の隠れた?名作「岡本綾」の生原稿を読破した後は「ストップ!!ひばりくん!」の表紙原画がアートのように並び、最後の見送りをしてくれます。表紙の一枚一枚を見るだけで小一時間くらいは必要ではないでしょうか。
今回は一度退場してもこの日はサイン会があるので再入場可能ですので、昼食を取った後にも再び、じっくりと観賞することが出来るのも嬉しいですね。
さて、午後1時から開始されたサイン会ですが参加券の番号順、つまり10時からのミュージアムショップでの購入順にサインをしてもらえます。江口先生のサイン会はサインだけでなく簡単なかわいい女の子をサラサラと描いて下さり、ふき出しに「〜さんへ」と付けてくれるという大サービス!しかも、お願いすれば一緒に写真も撮ってもらえます!(個人的見解ですが女性の方がお話の時間も長く、イラストも丁寧?だったような笑)。
これを150人全員にしてくれるのですから(途中休憩も入るので)、優に予定終了時間を超えるのです。ですので何かサイン会の後に予定がある人はミュージアムショップで5000円以上購入するものを前日までに決めておき、なるべく早くレジで一度購入して早い番号の参加券を確保した後に、またミュージアムショップに戻り、購入するかどうか迷うものを物色した方が良いと思います。
予算に余裕がある人は土曜日、日曜日と5000円以上をミュージアムショップで購入して連日サイン会に参加したら江口先生に覚えてもらえるかも!?笑
↓こちらからAmazon「ストップ‼︎ひばりくん!」コンプリートエディションのサイトへ行くことが出来ます。
↓駿河屋では「ストップ‼︎ひばりくん!」初版の全巻セットも取り扱っているようです(こちらは画像をクリックすると駿河屋のサイトへ行くことが出来ます)
(追記)
2月3日そして最終日2月4日のサイン会で江口先生からサインを頂いた方々の写真がTwitterでアップされていました。2月3日は節分であることよりサインと共にオニっ娘のイラストが描かれ、最終日は朝から雨の降る中参加券の配布を待つファンの方々にはいつもよりも渾身?のサインとイラストが描かれていたような気がします。
最後の方のサインが終わったのが19時半!短い休憩を入れながらも6時間半ずっと立ちっぱなしでサインとイラストを描いて下さった江口先生、本当にお疲れ様でした。
今回のノット・コンプリーテッド展でしばらく展示会は休憩し、新作の製作活動に入るということですので江口先生からの新作発表が楽しみですね!
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